黒糖が出来るまで
1.刈り取り
サトウキビを刈り取り、丁寧にハカマを取り去り、節々のささくれも削り落とします。
2.圧搾
圧搾機で圧搾してサトウキビ汁を搾り出します。 搾った汁の中に、石灰を入れます。どのくらい入れるかによって砂糖の良し悪しが決まります。職人の感が決め手です。
3.アク取り
沸騰したら、アクを丁寧に取り去ります。 アクを取り残すと、上質の黒糖は出来ません。
4.煮詰め
アクを取り去った後、温度を上げ煮詰めていきます。
5.煮詰めあがり
温度が上がり、煮詰めの最終段階です。 釜上げのタイミングが大事です。このことを 島の方言で「カインヲミル。」と言います。 共通語では「加減を見る。」という事でしょう。
6.窯上げ
火を弱めたり強めたり火加減をしながら、「カイン」を舌先で見て、「ここだ」と言うときに素早く火を止めさせて、くみ上げます。その間 にも「カイン」は上がっていきます。緊張の一瞬です。秒以下の世界です。マッチ1本の炎の世界です。匠の技です。「カイン」は、低くても上がり過ぎても上質の黒砂糖は出来ません。くみ上げるタイミング、つまり「カイン」を見る事が大事なのです。釜焚きの職人とカイン職人が一心同体になる時です。
7.撹拌
攪拌です。攪拌する時間も大事です。質に大きく影響してきます。
8.分割流し込み
攪拌しながら、トレイに流し込みます。一分一秒を争うので、まるで戦場のようです。トレイを次から次へと入れ替えます。
9.出来上がり
出来立ての黒糖です。茶色く輝いて見えます。上出来です。最高の「カイン」です。
10.分割ライン入れ
細かく砕くために、カッターでラインを入れます。流し込んだら直ぐ(柔かいうちに)、溶岩のように小さく固める方法もあります。
11.袋詰め
袋に詰めて、計量して、製品の出来上がりです。 ドクサ ナレンド (健康に なれますよ。)スラサ ナレンド (美しく なれますよ。)マサ レンド (美味しい ですよ。)ウラ、ミショウリ (さあ、召し上がれ!)」